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COLUMN / 制度・法律

2027年介護報酬改定で住宅型有料は何が変わるか——論点整理

執筆・監修

羽田 圭佑(株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役)
損害保険会社の損害サービス部門で事故対応と保険金の支払査定に従事したのち、保険代理店営業として引受時のリスク審査と契約設計に携わる。執筆者について

2027年度(令和9年度)に予定される介護報酬改定に向けて、厚生労働省の審議会などで議論が進んでいます。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営者にとって、今回の改定は「他人事」では済まないテーマを含みます。

結論から言えば、論点の軸は「囲い込みの是正」と「利用者負担・透明性の強化」です。これは、外付けの介護サービスで収益を上げてきたモデルの見直しを迫るもので、施設は“本来の住まいと利用料”で成り立つ経営への転換を意識する必要があります。本記事は、施設長・相談員に向けて、現時点で議論されている3つの論点を整理し、それが未収・利用料の回収にどう効くかを解説します。

重要

本記事は2026年8月時点で公表・議論されている「論点」の整理であり、確定した改定内容ではありません。最終的な内容は今後の審議で変わり得ます。実務判断の際は、必ず厚生労働省の公表資料など一次情報をご確認ください。

そもそも、なぜ「2027年」に注目するのか?

介護報酬は、原則として3年ごとに改定されます。その次のタイミングが2027年度(令和9年度)です。近年は、増え続ける高齢者向け住まいをめぐって、「介護保険財政の適正化」と「利用者保護」の両面から議論が活発化しており、住宅型有料・サ高住が主要な検討対象になっています[1]

つまり2027年は、これまで曖昧だった部分に制度のメスが入りやすいタイミングだと言えます。

いま議論されている3つの論点

現時点で軸となっている論点を、施設への影響とあわせて整理します。

表:2027年度改定で議論されている主な論点(2026年8月時点)
論点議論されている内容施設への影響(想定)
①囲い込みの是正関連法人の外付けサービスで介護報酬を得るモデルの抑制“介護報酬で稼ぐ”前提の見直し
②新類型・利用者負担高齢者向け住まいのケアマネジメント新類型と、利用者負担の導入検討入居者の月々の負担増の可能性
③情報開示・透明性公正なケアプラン作成、外部サービスを含む透明化契約・重要事項説明の適正化

論点①:囲い込み問題への対策強化

住宅型有料・サ高住は「非特定施設」にあたり、関連法人が外付けで介護サービスを提供し、その出来高で介護報酬を得る形が広く見られます。ここで、必要以上のサービスを付ける“過剰サービス”=囲い込みが問題視されてきました[1]。2027年に向けては、この構造への抑制が論点になっています。

これが進めば、「介護報酬で収益を補う」前提の経営は成り立ちにくくなり、住まいの提供と月額利用料そのものの健全性がより重要になります。

論点②:新類型と「利用者負担」の導入検討

高齢者向け集合住宅におけるケアマネジメントについて、新たなサービス区分(新類型)を設け、その利用に1割〜3割の利用者負担を求める案が検討されていると報じられています[1]。あわせて、施設と同一法人のケアマネジャーであっても、外部サービスを含めた公正なプラン作成が求められる方向とされています。

POINT

利用者負担が増える方向は、入居者の月々の支払い負担が重くなることを意味します。年金だけで暮らす入居者にとっては、支払いの継続がこれまで以上に難しくなる場面も想定され、施設にとっては未収リスクの高まりに直結し得ます。

論点③:情報開示・透明性の確保

利用者保護の観点から、料金・サービス内容の情報開示や、ケアプランの公正性を高める議論も進んでいます。契約時の重要事項説明や、費用の内訳の明示が、これまで以上に厳しく問われる方向です。曖昧な運用を続けてきた施設ほど、対応の負担は大きくなります。

改定は「未収・利用料」にどう効くのか?

3つの論点を施設経営の視点でつなげると、共通して浮かび上がるのは「利用料そのもので健全に成り立ち、確実に回収する力」の重要性です。

1

囲い込み抑制

介護報酬で補う経営が難しくなり、利用料の比重が増す。

2

利用者負担増

入居者の支払い負担が重くなり、未収リスクが高まる。

3

透明化

費用の明示が進み、支払い設計の甘さが表面化する。

いずれも、「利用料が確実に入る仕組み」を持っているかどうかで、改定後の経営の安定度が変わってきます。制度が変わるほど、未収への備えの有無が効いてきます。

まとめ

2027年度改定は、囲い込みの是正・利用者負担・透明化を軸に、住宅型有料・サ高住のあり方を問い直す方向で議論が進んでいます(※確定内容は今後の審議次第です)。共通して重要になるのは、利用料で健全に成り立ち、確実に回収する経営です。私たちLAST SOLUTIONSは、入居者様の月額利用料の保証を通じて、制度が変わっても揺らがない受け入れ体制づくりをお手伝いしています。

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出典・参考

  1. 厚生労働省 社会保障審議会(介護保険部会・介護給付費分科会)ならびに財政制度等審議会における2027年度(令和9年度)介護報酬改定に向けた検討。介護報酬は原則3年ごとに改定される。

※本記事は2026年8月時点で公表・議論されている論点の整理であり、確定した改定内容ではありません。最新かつ正確な情報は、厚生労働省および各審議会の公表資料をご確認ください。

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