仕組み 料金の考え方 現場の声 よくあるご質問 当社の想い コラム 資料請求 お問い合わせ

COLUMN / 未収・保証・与信

入居を1件断ると、施設はいくら失うのか——「断らない」の損益分岐点

監修

本記事は、損害保険会社で支払査定・リスク審査に従事した者の監修のもと作成しています。

「保証人がいないから、この入居は見送ろう」——リスクを避けるための、慎重で正しい判断に見えます。しかし、その判断には見えないコストが隠れています。断ったあとに空いたままの居室は、静かに、しかし確実に利益を失わせ続けるからです。

結論から言えば、1件を断る判断は「安全」とは限りません。空室が生む機会損失は、未収のリスクより大きくなることが多いからです。本記事は、施設長・経営者に向けて、空室1室の機会損失を試算し、未収リスクと並べて「断らない」の損益分岐点を考えます。

「断る」は、本当に安全な判断なのか?

入居を断れば、未収のリスクはゼロになります。しかし同時に、その居室から得られるはずだった収入もゼロになります。リスクを避けたつもりが、確実な損失を選んでいる——ここに逆説があります。

未収は「起きるかもしれない」不確実なリスクですが、空室による逸失利益は「確実に発生している」損失です。経営判断としては、この2つを同じ土俵に載せて比べる必要があります。片方(未収の不安)だけを見て断ると、もう片方(空室損失)を見落とします。

空室1室が生む「機会損失」を試算する

具体的な数字で見てみましょう。以下はあくまで試算例で、月額利用料を15万円と仮定した場合の逸失利益です(金額は施設・地域により異なります)。

1か月 空室
15万円
3か月 空室
45万円
6か月 空室
90万円

試算例:月額利用料15万円と仮定した場合の逸失利益(当社による単純試算。実際の金額は各施設の料金体系・稼働状況により異なります)。

15万円/月
前提:1室あたりの月額利用料(仮定)
180万円
1室が1年間空いた場合の逸失(試算例)
+α
募集・紹介手数料などの再募集コスト

さらに見落とされがちなのが、空室を埋め直すための再募集コストです。紹介会社への手数料や広告費を含めれば、失うのは逸失利益だけではありません。「断る」判断のたびに、このコストが積み上がっていきます。

では、未収リスクはどれくらいなのか?

もちろん、未収そのものが軽い問題だと言いたいわけではありません。東京商工リサーチの調査では、2024年の老人福祉・介護事業の倒産は過去最多の172件、その原因の72.6%が「売上不振」でした[1]。収入が細ることは、施設の存続に直結します。

しかし重要なのは、「売上不振」の中身には、未収だけでなく“埋まらない空室”も含まれるという点です。未収を恐れて入居を絞れば絞るほど、稼働率は下がり、売上不振に近づく。未収を避ける行動が、かえって経営を苦しめる——この構造こそが本質です。

表:2つのリスクを同じ土俵で比べる
観点入居を断る(空室)受け入れる(未収の可能性)
損失の確実性確実に発生する起きるとは限らない
損失の見え方「発生しなかった収入」で見えにくい督促として目に見える
備えの有無空室は自力で埋めるしかない保証の仕組みで施設外に出せる

「断らない」の損益分岐点という考え方

ここで有効なのが、損益分岐点の発想です。「受け入れて未収が起きた場合の想定損失」と「断って空室が続いた場合の確実な損失」を並べ、どちらが大きいかで判断する。多くの場合、空室を長引かせる損失のほうが重く効いてきます

POINT

大切なのは「未収を絶対に出さない」ことではなく、「未収が起きても施設の損失にならない状態」で受け入れ幅を広げることです。リスクを外へ出せるなら、断る理由は小さくなります。

だからこそ、「与信」で受け入れ幅を広げる

銀行が融資の可否を「人柄」ではなく支払いの構造で見るように、施設も入口で支払いの構造を確認する「与信」の発想を持つことで、必要以上に断らずに済みます。保証人の有無という一次元ではなく、支払いが続く見通しと、万一のときにリスクを施設外へ出す仕組み——この2つがそろえば、受け入れは怖くなくなります。

「断らない」は、優しさや理想論ではありません。空室損失を抑え、稼働率と収益を守る、合理的な経営戦略です。

まとめ

1件を断る判断は、未収リスクを避ける代わりに、確実な空室損失を選ぶことでもあります。2つのリスクを同じ土俵で比べれば、「受け入れて、リスクは仕組みで外へ出す」ほうが合理的な場面は少なくありません。私たちLAST SOLUTIONSは、入居者様の月額利用料の保証を通じて、未収を施設の損失から切り離し、施設様が“断らない”経営を選べる体制づくりをお手伝いしています。

受け入れ幅と収益について、ご相談を承っています

「まず話を聞いてみたい」という段階でも構いません。仕組み・料金・契約のご不明点など、資料のご請求・オンラインでのご説明も承っています。

資料を請求する オンラインで相談する

出典

  1. 東京商工リサーチ「2024年『老人福祉・介護事業』倒産・休廃業解散調査」

※本文中の金額(月額15万円等)は理解のための試算例であり、特定の成果や金額を保証するものではありません。実際の逸失利益・費用は各施設の料金体系・稼働状況により異なります。

← コラム一覧へ戻る